はらり、ひとひら。
「おはよう神崎君」
「椎名さん、おはよう」
私たちは毎朝一緒に登校することになった。方向は一緒だし、学校に着いてからだとなかなか時間も取れない。朝なら、妖関係の話もしやすいのだ。
「ごめん今日、少し遅かったでしょ。寝坊しちゃって」
「ううん、大丈夫。・・・あ」
謝るが、神崎君はまったく気にしていないようだった。それどころか私の髪に触れ、「寝癖」とふんわり微笑んだ。やっちまった、急いでたから。
「じょ、女子力なくてごめんなさい…!」
「ずぼらだねえ」
にゅっと木陰から灯雅さんが顔を出す。突然すぎて固まる。