はらり、ひとひら。


女の子たち数人はニコニコ笑顔で教室へ戻っていった。


「おーい何してんだ?椎名」

「あ、矢野先生・・・おはようございます」

「おう」


いつも先生と微妙なタイミングで逢うなあ。


「さ、もうすぐチャイム鳴るぞ。教室戻れ」

「はい」


優しく言って、私の背を押す。



─一瞬。


「─っ!?」


先生の背後に、妖がみえた。



< 162 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop