はらり、ひとひら。


頭から冷水をかけられたような気になる。瞬きしているうちにその影はさっぱり消えていた。


「どうした?ってお前顔色が…」


先生は不思議そうに私の視線の先をゆっくり振り向いた。


「な、なんでも、ありません」


見間違い…?でも。確かに今、見えたんだ。


先生にもたれるようにして背中にくっつく女妖が。もしかして…先生を狙っているのだろうか。



結局その日は授業に集中できなかった。



**************


放課後。

家路を急ぎ、巫女服に着替え急いで森へ向かう。
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