はらり、ひとひら。


私は拳をきゅっと握る。


「気を抜くなよ。お前まで祟られたら面倒だ」

「うん」


ふうと深呼吸をし、気合を入れ直した。…しっかりしなきゃ。


「準備はいいか。入るぞ」


注連縄をくぐりしばらく歩いた先に、それはあった。


水面に、淡い色の蓮が沢山咲いている。池の水はひどく濁っているようだ。







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