はらり、ひとひら。


ここに、神崎くんに呪いをかけた妖が…。


「来い、俺だ」



神崎くんが呟く。静かすぎるほど静かな辺りに、彼の声は良く響いた。ザワ・・・蓮池の花と葉が、ゆらりと揺れる。



「招いていない客もいるようだが・・・」


赤い。着物も、髪も、お面も。



私を襲った妖たちとは格が違う、と瞬時に察する。




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