はらり、ひとひら。
「いいじゃん!お金あまったらお菓子買っていいんだって」
「お前は単純すぎだ」
「油揚げ味のお菓子もあるかも」
「む。それなら仕方ない」
愚図る師匠を適当になだめすかし歩き出した。師匠は油揚げが大好物だ。
さすがは狐といったところか。お稲荷さんも好きらしい。基本的には雑食だけど。
「師匠もけっこう単純だね」
「何か言ったか」
「いえいえ?」
誤魔化すように師匠を撫でると、満足そうに目を細めた。