はらり、ひとひら。


部屋に戻り、妖に経緯を訊く。正座をした私に向かい合うように座る妖をじいっと見つめた。


「あの、貴方は誰ですか?」


全身黒ずくめだから怪しいな…。


「妖に取りつかれたあ!?」


もふもふのぬいぐるみにしか見えない姿で部屋に入ってきた師匠の怒号に耳をふさぐ。お、お怒りだ。



「だからお前は甘いのだ!もっと辺りにガン付けて過ごせ!警戒を怠るな!」


「やめてよそんなチンピラじゃないんだから!」


やんややんや言い争っていると、真っ黒の妖は口を開いた。



「すまん。悪気はないんだが、折り入って頼みたいことがあってお前にとり憑かせてもらった」


「へ?頼みごと・・・?」


妖は数度頷く。


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