はらり、ひとひら。
「師匠、大丈夫だから。とりあえず話を聞かせてくれる?」
「むっ、杏子!」
大丈夫、再度たしなめるとようやく諦めたのか師匠は部屋の床にごろっと寝そべった。
「…ありがたい。俺は元は群れをなした修行の途中の身。いつぞや俺は怪我をして動けないうちに仲間とはぐれた。…中途半端な力では自分の身を保つので精いっぱいだ」
「お師匠様にも兄弟子たちにも見捨てられ、恥ずかしながらいたく傷心の自身に声をかけてくれた人間がいたんだ」