はらり、ひとひら。


私は毎日毎日 近所をかけずりまわって、そのヨウコさんというひとを探した。少しでも手がかりになりそうなことや気になる家にはお邪魔し、話を伺ったが皆、首を捻るだけだった。


「なかなか見つからないね・・・」


どうしたものか。…結婚で遠くへ行ったりしたのだろうか。


「ねえ。ほかに、何かない?手がかりになりそうなもの・・・見た目の特徴とか」


「確か髪が、短かったな。身の丈は覚えていないが…いつも白い服だったな」


懐かしむように空を仰ぐ彼に、少し笑みがこぼれる。



「ああ、とにかく綺麗な女だったぞ。人か一瞬疑うくらい」


綺麗な人…


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