はらり、ひとひら。
"ヨウコ"でやっと反応を貰えた!進展ありかな。隣に立つ常盤に目配せすると静かにうなずく。老婆は不思議そうに首を傾げた。
「あぁ、すみません。詳しくお話を伺いたいのですが、よろしいですか?」
「構わないよ」
女性は愛想よく目じりにいっぱい皺を作って笑った。
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「たんとお食べ。時期だから甘くておいしいよ」
目の前に差し出された、瑞々しい西瓜。おいしそう…!
「いきなり押し掛けてしまってすみません。いただきます」
遠慮がちにかじると、口の中いっぱいに甘さが広がった。
「あの・・・そのヨウコさんは、今どこにいらっしゃいますか?」
西瓜を呑み込んでから喋ると、彼女は眉を下げた。
「あの子はもう、この世にはいないよ」