はらり、ひとひら。


"ヨウコ"でやっと反応を貰えた!進展ありかな。隣に立つ常盤に目配せすると静かにうなずく。老婆は不思議そうに首を傾げた。


「あぁ、すみません。詳しくお話を伺いたいのですが、よろしいですか?」

「構わないよ」


女性は愛想よく目じりにいっぱい皺を作って笑った。


**************


「たんとお食べ。時期だから甘くておいしいよ」


目の前に差し出された、瑞々しい西瓜。おいしそう…!


「いきなり押し掛けてしまってすみません。いただきます」


遠慮がちにかじると、口の中いっぱいに甘さが広がった。


「あの・・・そのヨウコさんは、今どこにいらっしゃいますか?」


西瓜を呑み込んでから喋ると、彼女は眉を下げた。


「あの子はもう、この世にはいないよ」

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