はらり、ひとひら。


目が覚めたとき、背中には
汗をぐっしょり掻いていた。


ここ・・・おじいちゃんの部屋だ。


ああそうか、私気を失ってそのまままた寝ちゃったんだ。今、何時だろう。


体を起こすが疲労感に包まれた全身がだるい。不意に昼間の出来事を思い出す。…わかっていた。昼間のあれは、夢なんかじゃないって。



「修羅の血って、何・・・?」


妖怪たちが固執するもの。夢の中の少女も、同じことを言われていた。




「私は普通の人間じゃないの・・・?」




「どうして・・・あんなものが見えるの・・・!?」





押さえきれない気持ちが溢れ、布団をぎりっ、と握る。






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