はらり、ひとひら。
「ところで、ここは何?」
「あれ?椎名ちゃん知らないの?」
頷くと、朝比奈君は得意げに話し出す。
「この廃墟はな、今は使われてないけど美術館だったんだ。で─なんで使われなくなったかというとな・・・」
カチャッ、と彼は懐中電灯を下から自分の顔に当てた。青白い顔に情けなくもびくっとなる。
「ここに入ったひとは、たちまち行方不明になって帰ってこれなくなるからなんだと…!」
な、なんてこった…!震えていると「馬鹿じゃないの」と飛鳥が朝比奈くんの頭をはたいた。
「イテッ」
「ほんと相変わらずどうしようもないわね」
「おー?怖いのか?飛鳥」
「な、怖くないわよ!」
飛鳥に聞いたが、朝比奈君とは幼馴染なんだそうだ。暫く言い合っていた二人だったがやがて飛鳥が折れたのか、しぶしぶくじを用意した。
男女一組、同じ番号の男女がペアだ。