はらり、ひとひら。


「ま、なんかあったら皆で助けに行くから心配すんなって!じゃ、行ってらっしゃーい」


嫌がる一組目の人たちは、強引に朝比奈くんに館へ押しやられた。


「椎名さん大丈夫?」


相当青い顔をしていたのか、心配そうに神崎くんが私を覗き込んだ。


「だ、大丈夫じゃないかも…」


「いざとなったら目つぶってても良いよ」


「でもそうしたらこけちゃうかも」


「俺が手を引くよ」


控え目な笑顔に、あ。となる。久しぶりに神崎くんの笑顔みた…。やっぱり綺麗に笑う人だ。


そういえば今日、師匠家にいなかったな。森に行くことは一応置手紙に書いたけど帰ったらこってり怒られそう…



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