はらり、ひとひら。


夏休み明け初日から、肝試し首謀者である朝比奈くんは矢野先生にこってり怒られ、反省文を書かされていた。自分からすべて話して謝ったらしい。


が、先生以上にお怒りなのは教頭先生で…鬼のような形相で朝比奈くんをとっちめていた。



教頭先生からは停学を申し付けられたようだが「止めなかったクラス会長の責任」と言って何度も頭を下げる飛鳥に免じて、ぎりぎり免れたようだった。



「いやほんっと悪かった!このとおり!」


「謝って済むなら警察は」


「いらないよね」



二人の長いお説教を待って、ようやく帰路。ぺこぺこ謝る朝比奈くんに対し、じっとり辛辣な目を向ける飛鳥と神崎くんに吹き出す。



「ねえもういいじゃん、その辺で…」


「杏子は甘いのよ、優しすぎ。誰にも怪我なかったのが逆に奇跡よ」
< 243 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop