はらり、ひとひら。
「建物自体老朽化が進んでるし、万が一崩れたら危険だから」
そっか、美術館壊されちゃうんだ…。ぼんやりと喪失感が胸を覆った。
…家を失ったみっちゃんは、どうするんだろう。
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良く晴れた夏日、森の中でごんごんと工事音が響いていた。
「みっちゃん!」
よかった、まだいた…!
崩れていく建物を静かに遠くから見つめる彼女に駆け寄ると驚いたと目を見張る。
「あなた、この間の…」
「取り壊されるって聞いたから、なんか気になっちゃって」