はらり、ひとひら。
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「う・・・」
想像以上に理科準備室汚いんですけど…!?なにこれ。
「おー汚ぇ、オレも手伝うからよろしく頼むよ椎名」
「笑いごとじゃないですよ…わかりました」
ハタキで山積みになった本を叩くとたちまち埃が舞い上がった。うげえと声を漏れる。
「椎名」
「なんですか?」
手を止めず、返事だけ。
「あのさ、変なこと訊いていいか?─お前、妖怪ってホントにいると思うか?」
「・・・え?」
どきりとして顔を上げる。
視線がかち合う。先生の顔は真剣そのものだった。