はらり、ひとひら。


**************


「う・・・」

想像以上に理科準備室汚いんですけど…!?なにこれ。


「おー汚ぇ、オレも手伝うからよろしく頼むよ椎名」


「笑いごとじゃないですよ…わかりました」


ハタキで山積みになった本を叩くとたちまち埃が舞い上がった。うげえと声を漏れる。


「椎名」


「なんですか?」


手を止めず、返事だけ。


「あのさ、変なこと訊いていいか?─お前、妖怪ってホントにいると思うか?」


「・・・え?」


どきりとして顔を上げる。


視線がかち合う。先生の顔は真剣そのものだった。

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