はらり、ひとひら。


「おばあちゃんは・・・」


いつから妖が見えたんだろう。


私と同じで、突然見え始めたのかな。それとも、小さい頃から見えてたんだろうか。


「─お前が椎名杏子か」



突如、後ろから声が聞えた。バッと振り向き距離をとった。


「妖・・・!」


嘘。どうして学校に・・・!?


「っ」


天井すれすれまである背丈にもじゃもじゃの毛から覗くツリ目がじっと細められた。

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