はらり、ひとひら。
まさか、矢野先生も妖が見えるとか?もしくは祓い屋だったり。
・・・いや、ないない。
先生さっき言ってたし。見えるもんなら見てみたいって。
「本当顔色悪いぞ?今日はもう帰って休め、悪かったな」
あとはオレがやっとくから、と先生は言って私の頭を撫でた。
「ありがとうございます…」
私は軽く頭を下げ、学校を後にした。
なんだろう、この胸のつっかかりは。
「杏子」
「あ、師匠」
長い毛を翻して、師匠は綺麗に地面に着地した。