はらり、ひとひら。


「気になるか?」


唇を噛み締め、頷いた。


「森へ行こう、師匠!!」

自宅を通り過ぎ、森への道を急いだ。


**************


「仮に妖狩りの犯人をわかりやすく狩り人(かりびと)とでも呼ぶか」

「うん」


そっちの方がわかりやすい。


「えっと、こっちは何の森?」

「北の森だ、いい加減覚えんか」

「だって広くてわかんないよ」


師匠は鼻で笑った。ムカ。


「何人かの妖が目撃したらしい。北の森でな」


「どんなひとだったか、聞いた?」


「皆口を揃えてよく分からなかっただと。顔を見えなくしているらしい。が、夥しいほどの妖気を感じたらしい」



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