はらり、ひとひら。


「消し去り退けることね。妖怪は、人にとって害なる存在だから」


「…うん」


わかっているけど。


なぜか、胸にひっかかるものがあった。



「ちょっと待ってて」

「・・・?」


お母さんはしばらくして、大きな平べったい木の箱を重ねて持って来た。


「それは、何・・・?」


乾いた音を立てて結ばれていた紐が解かれる。





< 28 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop