はらり、ひとひら。
【ゴンside】
「どうしてこんなことするんだ!!アンズだけは巻き込まないでくれっ、頼むから!おいらは何されても構わないからっ─」
「いやあ、驚きました。やたら美味そうな匂いがすると思えば、あれは修羅の血。食えば更に妖力がつく」
「やっ、やめろ!」
ぞっとする。最悪の事態がやはり起きてしまったんだ。アンズの家に朱獅子がやって来たのは昨夜のこと。
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『見つけました。ゲームオーバーです子狸さん』
「っ」
おいらは咄嗟(とっさ)に、隣で眠るアンズへ視線を投げかけた。
『おや…これは良い馳走だ。愚かな。妖が見える人間に助けを求めたのですか?』