はらり、ひとひら。
小指を絡めようとして躊躇する。
「私からも、約束」
「え?」
今日で、終わりになんかさせない。いいえ、終わらせるのは確かだけどそうじゃない。
「矢野先生に、目を覚ましてもらうっていう約束」
一瞬目を見張った神崎くんだったが、頷いてくれて安堵する。私たちは静かに指切りをした。
-------------------------
**中庭**
【矢野side】
終わりだ。
今日で、みんな終わり。椎名も、神崎もだ。式神もろとも地獄に送ってやる。
「主」
「いかがですか?」
「蛟(みずち)。雪路(ゆきじ)」