はらり、ひとひら。


小指を絡めようとして躊躇する。


「私からも、約束」

「え?」


今日で、終わりになんかさせない。いいえ、終わらせるのは確かだけどそうじゃない。


「矢野先生に、目を覚ましてもらうっていう約束」


一瞬目を見張った神崎くんだったが、頷いてくれて安堵する。私たちは静かに指切りをした。



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**中庭**


【矢野side】


終わりだ。


今日で、みんな終わり。椎名も、神崎もだ。式神もろとも地獄に送ってやる。


「主」

「いかがですか?」


「蛟(みずち)。雪路(ゆきじ)」






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