はらり、ひとひら。
**森**
森に着くと、既に神崎君は到着していた。
「!?」
いつもと違う、陰陽師のような着物を纏った神崎君に目を奪われた。
「変かな…?」
「い、いやいや!似合いすぎてびっくりしたっていうか」
「ありがとう。椎名さんもよく似合ってるよ」
うわあ、すごい破壊力だ。写真に撮って部屋に飾っておきたいくらい格好いい。
「茶番はそこまで」
突如 降ってきた声に、肩がびくんと跳ねる。
「─矢野先生!」
木の上で、くすくすと笑う声。着物だ。
「嬉しいなぁ。まだ“先生”なんて呼んでくれるのか?椎名」
先生は羽のように、ふわりと地へと舞い降りた。