はらり、ひとひら。


「先生。どうしてあんなことしたんですか!?」


「妖が嫌いだからだ」


簡潔かつ、単純な理由。言葉に詰まった。


「どうしてっ─」


「オレは妖にさんざん苦しめられたんだ。わかるか?」


「し、知りません…」


先生の髪が、ゆらりと揺れた。


「妖が見える所為で俺の人生は滅茶苦茶だった」


露になった怒り。その眼にあるのは静かな怒りと憎しみだ。


「話してやるよ。全部」











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