はらり、ひとひら。
「ちょ!何するんだよっ」
「ふふっ、生意気なやつめ~。早く行かないと
海斗のおかず食べちゃうからね!」
待てよー!!という海斗の
怒気を孕んだ声を聞きながら
私は階段を駆け下りた。
最近はこうして海斗と他愛もない話をする機会も減っていた。
受験勉強で忙しく、そんな私に
海斗も気を使っていてくれてた
んだと思う。
それにしても、平和だ。
あれから特に妖怪に遭遇する機会もなく穏やかな時間が流れた。