はらり、ひとひら。
「中学、高校…そして大人になっても妖怪は見え続けていたよ」
先生…
どれほど辛かったんだろう。
幼少期の先生が脳裏に浮かぶ。ひとりは、悲しいよ。
「なんでお前らは妖を憎まない?」
僅かに、先生の声のトーンが下がる。
「俺は物心ついたときから見えていましたけど。危険な目にも遭ってきました。けれど一度も妖を憎んだり怨んだりなんてしたことはありません」
「私は…見え始めたのは少し前からです。先生、私こんなこと言える立場じゃないけど全部を妖の所為にするのは間違ってます…!目を覚ましてください!」
先生は言葉を詰まらせたじろぐ。