はらり、ひとひら。
「主様!」
先生の式神の、女妖の方が飛び出した。
「よせ雪路!」
「嫌よ!止めて差し上げないと…主様、しっかりしてください!」
雪路と呼ばれた白い着物の女妖は、駆け寄り先生に手を伸ばすも、完全に意識を乗っ取られたのか翼を強かに腹にぶつけられ、反動で宙に浮く。
自分の式神すらわからないの…!?
「っ…なりません、主様…」
ぎりぎりと締め上げられた細い喉。か細い声で雪路は先生に囁く。
「あなたが目指してらしたのは…本当の目的はっ」
雪路の首を絞めている先生の指が音を立てて凍っていく。ぱきりぱきり、小気味いい音を立てて。
これは…
「あの妖、雪女か」