はらり、ひとひら。


あ、と思ったときには 銀色が一閃して、黒を切り裂いていた。


邪鬼は叫びながら消えていく。あっけない…



神崎君は静かに刀身を鞘へと収める。


「す、すごい…」


目を奪われてしまう程、綺麗だった。前に見た時も思ったけど、戦いのときすら綺麗って凄すぎるぞ神崎くん。女子として肩身狭い…なんて思っていると向き直った神崎くんは座り込んだ私に視線を合わせしゃがみ込む。



「…無理しすぎ」



明らかに、神崎君は怒っているようにみえた。


「ご、ごめん…?」


神崎君は、じっと目を細めた。



ぐいっと手首を引かれ、着物の袖をめくりあげられ腕が露わになる。あ、なんかスパっとした傷できてるし血が出てる。いつの間に。


「大丈夫だよこのくらい、絆創膏貼…っ!??」


あろうことか神崎くんは私の傷口にそっと口を寄せたのだ。突然の出来事に頭がショートしパンクしかける。な、なぜキスされてるの…!?





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