はらり、ひとひら。
「貴様は妖狩りという呪術を繰り返していた。人の身で行うにはあまりに危険な禁術。それに耐えきれなくなったお前の身には、跳ね返りが起き邪鬼に取り込まれていたのだ」
代わりに先生がさらりと言った。
「妖…狩り…?」
「とぼける気かい?この期に及んで白々しい」
「灯雅」
苛立ったように声を荒げる灯雅を神崎くんが宥める。
「どれだけ多くの命を狩ったと思ってるんだ。何人の妖が命を落としたと」
「…オレは確かに、妖をひどく嫌っていた。妖のせいで幼少期は滅茶苦茶だったと言っても過言じゃない。でも…どうにか足掻いてここまで生きてきたんだ。教師になりたいって夢をかなえて、故郷を捨てこの地にやって来た」
先生の静かな声は森によく響いた。