はらり、ひとひら。


どうか、しわくちゃのおばあさんになっても、師匠やみんなの傍に居られますように、と静かに願った。


「あ」

「?どしたの?」


「そういえば もうすぐテストだよね」

「!!!」


そ、そうでした。勉強、1ミリたりともやってない!うわ、いろいろあってすっかり忘れてた。


「椎名さん…」

「は、はい!?」


引きつった笑顔に、どうか気付かれませんように。


「勉強してないの?」


「!…あは、は」


サーッと顔から血の気が引いていく。



「あ。じゃあさ、もしよかったら」



---------------
< 362 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop