はらり、ひとひら。
でも、どうしたらいいのかがわからない。どうやって生きていくべきなんだろう。
「椎名さんの本当にやりたいことをするべきだよ。今はまだわからなくても、きっと見えてくるんじゃないかな…そのうちに」
本当にやりたいこと。
私が本当にやりたいことって、なんだろう。
「多分─人か妖か。どちらか選ばなければいけないときが、来るはずなんだ」
俺が選んだ時みたいに。
涼やかな神崎くんの声が遠かった。
「そっか…」
そうだよね。今はこのままでもいいけれどいつかは選択しなければいけないんだ。あたりまえのことなのに、重く、私の頭に刺さるようだった。
あぁ、駄目だ、なんだか頭が痛い。ずきりと痛むこめかみを抑えると、端末が音を立てた。…お母さんからだ。