はらり、ひとひら。


迷惑じゃないなら、ぜひ。と笑った神崎くんにぱっと心が明るくなる。


「せまいし、弟もいるけど…勉強みてくれたお礼に!」


「うん。お邪魔します」


よかった。友達が家に今から行く、という旨をメッセージで伝えるとお母さんは流石に少し驚いていたようだが、「逆に今日ご飯作りすぎてたから、ちょうどよかった」と言った。



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「お帰り…ってあらあら」


笑顔で出迎えてくれた母は、私の隣にいる神崎くんを見ると瞠目した。


「えっと…友達の、神崎くん。今日勉強みてくれたの、だからお礼に夕飯をご馳走しようと思いまして」


「初めまして。神崎真澄といいます。いきなり押し掛けてしまい、すみません」



礼儀正しいうえ、なにより美形の神崎くんを気に入ったのか、母は「早く上がって、狭いけどゆっくりしてね」とテンションがやたら高かった。う、お母さん…











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