はらり、ひとひら。


「主からの伝達だよ、今日は『白銀祭祀』が決行される日なんだそうだ」


しろがねさいし?


「もうそんな時期か。すっかり忘れていた」


「あぁ。今年はわりと早かったね」


「待って話が読めないんだけど」


置いてけぼりを喰らいそうになり、慌ててふたりを止めた。灯雅は驚いたような顔。


「白狐、あんた話してなかったのかい」


「仕方ないだろう、さっきまで忘れていた」


「ばちあたりめ…ぼけてるんじゃないだろうね」


灯雅はため息をついた。


「白銀祭祀は、この地の産土神、天候を司る白神様を祀(まつ)るお祭りさ」


シラカミさま?…祀る?

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