はらり、ひとひら。


「私が用あるのはあんたの方さ。ちょいと非常事態ってやつさ。聞いとくれ」


「え?」


なんだろう。この雰囲気。胸がざわざわする。



「白神様から直々に、あんたに召集命令がかかったらしくてね。修羅の血を引く、霊力の強い巫女を今夜祭りへ呼ぶようにと」


「…えぇ!?」


なんてこと。そんな生け簀に自ら飛び込む真似を…!?命がいくつあっても足りない。


「聞き捨てらなんな。十中八九、お前を喰うつもりだ。やめておけ杏子」


「いいのかい?神は妖と違うよ。無下にしたら、祟られるかもしれない。それほど神の行いは許されてる。私らなんかとじゃ格が違うのさ。こっちが下手に出るしかないんだ」


そ、そんな。気が乗らないけど、じゃあ行くしかないよね…。


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