はらり、ひとひら。
「いや、でもちょっと待って。私が行って、何をするの?」
「さあねえ。私も森の妖どもから聞いただけだけど、お話したいんじゃないかい?」
私なんかとお話しても何も得ることないですよ白神様…!
「仕方ないな。面倒だが行くしかない、神の命に逆らうことは許されん」
「…わかった」
師匠も着いて来てくれるようだ。話をするくらいなら大丈夫かな。相手の機嫌を損ねないように細心の注意を払わないとだ…
じわじわ緊張していると、端末が震えて画面に着信の表示がされた。…電話だ。
「もしもし?」
通話ボタンを押すと、久しぶりに神崎くんの声が耳元で響いた。