はらり、ひとひら。


幾つもの視線が、私へと投げかけられる。


「む。あれは妖か?随分小さい。人の子のように見えるが…」


「噂ではかの修羅の血を引く巫女だとされる」


「馬鹿を言うな、あれはとうにくたばったろう」


「人の子が生きてここに来れるか。狐でも化けてるんだろう」


せめてもう少し声を潜めて話してほしい。容赦ない妖の言葉は私の耳を突き刺した。



「よく来てくれた。感謝する」


じっとひれ伏していると、上からよく通る声が落ちてきた。「おぉ・・・」と妖たちから声が上がる。


「顔を上げてくれ」


言われた通りにすると、そこには白地に銀の模様の入った、煌びやかな着物を纏ったひとが目に映る。


このひとが、白神様…?


白いお面をつけているから顔は窺えないが、確かに妖とは違った気配がする。本当に、神様なんだと息を呑む。


「皆の者、今日は宴へようこそ。さあ存分に楽しんでくれ」


その言葉を皮切りに、どんちゃん騒ぎが始まった。


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