はらり、ひとひら。
外から見た限り、中は粗末な作りをしているのかと思ったけど予想以上に小奇麗だった。明かりは見当たらないのになぜか明るい。
あ、と思って窓の外を見る。
雪だ。降って来たんだ…
思わず見とれていると、驚くほど白神様の顔が近くに来た。
「杏子。お前は巫女だな?」
「え、っと。はい。そうです」
駄目だ、集中しろと自分を叱咤し姿勢を正した。
「頼み事とは一体なんでございましょう」
白神様は一瞬躊躇うそぶりを見せたけど、すぐに凛とした声が伸びる。
「私を祓ってくれ」