はらり、ひとひら。
聞き間違いかと思った。
「っ。それはどういう─」
「聞えなかったか?…私を祓ってくれ」
突然の出来事に私の思考は追いついてくれない。嘘でしょう。
「理由は…」
「話す義理はない。神より命令だ」
「ですが、それではあまりに一方的です!…失礼は承知ですが」
神様相手に、こんな態度は失礼だと思うけどあんまりだ。理由を聞かせてくれないのに、祓うことなんか出来ない。ましてや神を祓うだなんて今までやったことがないのに。
「白神様。お願いします、理由をお聞かせください」
暫くの間が空いて、
「…わかった」
という苦々しげな声が落ちたのだった。