はらり、ひとひら。


「私はもう、神としてやっていく自信がない」


弱々しげな声。


「皆の期待に応えるような力は、私は持っていない。それに本当は─私は神というほど崇高な存在ではないのだ」


「…?」

思わず首をかしげる。神じゃないなら、一体何だというのだろう。


「私は雪の妖だ」

「妖っ…!?」


白神様は、頷いた。


「今までは妖力でだましだまし繋いできたが…皆の者を騙すのは、もう耐えられない。自分自身の力もとうに衰え─そろそろ潮時だと思うのだ。神の座など、私には不釣り合いすぎる称号」



私は首を横へ振った。


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