はらり、ひとひら。


慌てて外へ飛び出す。


酷い吹雪だというのに、気にも留めていないのか妖たちはどんちゃん騒ぎ。雪で視界がかすむ。ただでさえ妖でごった返しているのに。


神崎くんと先生が、危ない。


「白神様!!待ってください!白神様!っ、きゃ!?」


どん、と誰かにぶつかった。


「あ…雪路!」


驚いた顔の雪路がそこに居た。よかった、雪路がいるなら近くに先生もいるかもしれない。


「どうされたのですか、そんなに慌てて…」


「神崎君と、矢野先生が危ないの!白神様が、今っ、納屋から出て行って」


「っ、参りましょう!」


雪路に手を引かれ、私は走り出した。


-------------------------


【真澄side】


「椎名さん、大丈夫かな」


「あの子なら大丈夫だよ。なにかと臨機応変なとこあるしね」


くすくすと、灯雅は笑った。

< 406 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop