はらり、ひとひら。
「致し方ありません」
雪路は繋がれていた冷たい手をぱっと放した。
「雪路?」
すっと息を吸い込んだ雪路が両手を恭しく上げ、暫くすると吹雪いていた雪がうそのように静かになる。
止んだ、まではいかないけど、穏やかな粉雪。
そうか、雪路も確か、雪の妖。雪女だ。雪のコントロールなんて造作もないんだ。
「すごい…」
「行きましょう。あちらから主様の気配が」
「うん!」
みんな、どうか無事でいて。