はらり、ひとひら。
「聞き分けない人の子など呼んだ意味もない、ならば酒の肴にしてやろう」
首へ圧力がかかった。息ができない。
「おのれ白神、落ちたか。神と言えど容赦はせんぞ!」
「たわけ。獣め」
駄目っ─白神様を襲っては駄目…
「─白神様!」
搾り出した声に、白神様の手の力が緩まった。いつの間にか、私は圧力から解放されていた。
周りの妖たちが何事かと私たちの様子を楽しそうに見ていた。
「あ、あぁ─」
「っ、げほ……白神様?」