はらり、ひとひら。


怒声に紛れ、拳ほどの大きさの石が飛んでくる。白神様が危ない!

咄嗟に飛び出した。来るであろう痛みに備えぎゅっと目を瞑るが、光と共に石は粉砕された。


「師匠…」


「やかましい、小童ども。これが神であろうとなかろうと関係ない」


「なに!?」



師匠の唸る声。


「そんなに肩書が気に喰わんか。気にしないというわり細かい奴らだ。雑魚特有の同族嫌悪だな。…神でないなら神に祀り上げるだけの話」


「なにを言って…」


型破りな師匠の言葉に一瞬理解が及ばなかったが、次の瞬間雲間を裂いて眩しい光が差してきた。あれは…



「…おお、なんという。神の使いだ」



辺りがどよめき立つ。怒声はすっかり止んだようだった。神様のつかい? 一体何が起きているんだ。


透き通った鈴の音が辺りを埋め尽くす。安らぐような心地よい匂いを纏った一行が突然、白神様の目の前に現れた。




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