はらり、ひとひら。
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**縁側にて**
【海斗side】
暖かな日差しに、瞼は眠りへと誘われる。小学生は、まだ春休み中。
「暇だね。シロ」
「…私はシロじゃないと何度言ったらわかるのだ」
膝の上の白い狐。
いつだったか姉が拾ってきた、不思議すぎる生き物。突然喋ったときは心底驚いたし、不気味で仕方なかったが、時間が経つにつれ愛着がわいてしまった。
これは、妖怪といわれるもの。信じがたいことだがおれは、妖怪が見えるみたいだ。
…と言っても、シロの今の姿は仮の姿らしい。だからシロが本当の姿に化けたらそのときはどうなるかわからない。見えなくなるのかもしれない。
「海斗。お前は妖が嫌いなのか」
「え?」
シロは、おれのことをじっと見つめた。思わず撫でる手を止めた。