はらり、ひとひら。
「うわ。太るよ。ま、食べたいんなら買えば?」
海斗は呆れて笑ってる。
「みんなで食べれば大丈夫!」
1つのものを分け合うことって、とっても幸せなことだし…!と自分に言い聞かせカゴへチョコレートを入れた。
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さっと、私の手から買い物袋が奪われる。思わず?マークを浮かべた私に海斗は振り向いて照れたようにそっぽを向いた。
「重いでしょ」
「ありがと。へー、へー?」
「なんだよ!?」
いっちょまえに紳士気分かぁ、可愛いやつめ。でもまだまだ私からすれば子どもなんだなあ。頭をなでくりまわすと「やーめーろー!」と海斗は暴れた。
「…ん?」
「え?」
他愛もないやりとりをしつつ歩いていた。もうすぐ家だ、と思っていた矢先。
木の下に、なにかがいる。