はらり、ひとひら。


真っ白の物体。私よりも先に、海斗が駆け寄った。うわ、ちょっと買い物袋揺らしたらだめでしょーが…!


「なにそれ?」

「わかんない。鳥?…っぽいけど」


海斗の腕に抱かれた白い鳥。まさか妖?よく見れば羽のところを怪我していた。微動だにしない。


「はやく、うちへ帰ろう。手当しないと」



鳥を抱いた海斗から慌てて袋を受け取り、家へ急いだのだった。
 


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【海斗side】


おれの腕の中で、ちっとも動かないイキモノはひどく弱っているように見えた。放っておけば良かったんだっていう人もいるだろうけど、どうにもそのままにしておけず。
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