はらり、ひとひら。
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【サチside】
カイト。
ありがとう。本当に、ありがとう。
人が優しくて可愛い存在だってこと、身を以て知った。
短い時間だったけど、ぼくは君の傍に居られて楽しかった。嬉しかった。─もう少し一緒に居たかったけど。この姿は、所詮借り物だから。
すうっと、透けていく自分の身体を陽にかざすと眩しくていけなかった。あんまり眩しいものだから、目がとけたのか垂れる雫が止まらない。
しゃくりあげて拭っても、収まらなかった。やっぱり人の体は難儀なものだね。
明日がきっと最後になるだろう。本当は今日さよならを告げるつもりだったんだけど…
「いけないね。会うと嬉しくってしょうがないや…」
右腕に巻かれた包帯にそっと触れてみる。