はらり、ひとひら。
耳をそこに当てて澄ますと、不思議。君の声が聞えてくるんだ。
温かい優しい声で「生きて」という声がする。
ぼくは君のことが大好きだよ。
ありきたりな言葉ばかりで申し訳ないけど、それでも君にお礼が言いたい。
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【杏子side】
「あの妖は遅かれ早かれ消える」
「…」
自分の部屋に、海斗と私と、それから師匠。
「うん、分かってるよ」
海斗は頷いて切なそうに笑った。