はらり、ひとひら。
「椎名さん。おはよう」
「おはよ、神崎君」
どうしよう。悪夢のこと、話すべきだろうか…でも、所詮夢だったし。こんなことで神崎君を巻き込みたくないしなあ…。
一人で悶々している私に、神崎君は不思議そうに首をかしげた。
「なにかあった?」
「えっ。いやあ…その」
迷ったけど、私は小さな声で夢のことを話した。
「そんなことがあったんだ。夢は深層心理とか予知夢とかあるから馬鹿に出来ないし…杞憂かもしれないけど、それが正夢にならないことを願うしかないね」
こくりと頷く。
教室を見回す。珍しいことに飛鳥まだ来てない。無遅刻無欠席の優等生の飛鳥なのに。
いつもならもうとっくに席についているころだ。