はらり、ひとひら。
「…人助けなら直接言ってほしい。できることなら私もやるし。飛鳥を巻き込まずともできたでしょう?」
言ってから、もしやこの妖は人に憑かないと言葉を交わすことすらできない程妖力の弱い妖なのでは、と気が付く。が、考えすぎだったようで。
「それもそうだな。気が動転していた。すまない、どうか怒らないでくれ」
なんだか一気に脱力する。とにかく話の通じる妖で良かった。
「飛鳥を開放してくれませんか。その子は私の大切な友人…返してください」
「…わかった」
ぐったりと飛鳥の身体から力が抜ける。慌てて先生と神崎くんが支える。